KISCOは「明日を創造しよう」という理念のもと、1921年(大正10年)の創業以来、
常に時代の最先端で求められる化学製品を世の中に提供することで歴史を築いてきた。
100年の歴史を刻んだKISCOビジネスの軌跡を振り返る。
創業者である岸本一郎。
25歳当時、市場で高値で取引されているゴムに可能性を見出した彼は、亜鉛華や硫黄、カーボンブラックをはじめとするゴム原料を問屋から現金で買い付け、ゴム工場へ販売した。これが、現在のKISCOに至るビジネスの発端となった。
1921
商材の取扱い範囲を広げることで取引が増えていき、合資会社岸橋商店を設立。当時の商売に対する考え方は、「儲けるだけでなく相手のためになることをまず考える」というもの。この考えは今もなお受け継がれている。
1929
世界恐慌
1929
当時、ゴム工場の多くは中国に拠点を構えており、特に上海には大規模な工場が多く、約30社が稼働していた。そこで岸橋商店は、上海に支店を設立。海外との取引はそれまでも多く行っていたが、KISCOとしての初の海外支店であった。
1938
1938年4月、東京都中央区日本橋小伝馬町に東京支店を設置した。当時は、第二次世界大戦が佳境となり、各種重要物資の消費統制が行われていた。ゴム配給統制が実施され、国家統制が強まっていった。
1939
第二次世界大戦開戦
1943
「株式会社岸橋商店」を「岸本産業株式会社」に社名変更。現在の神戸営業所に移転し、久留米出張所を設置。この頃から戦争はますます激烈となり、東京支店と京城出張所以外の出張所を閉鎖せざるを得ない状況であった。
当時の京城太平路の様子
1945
第二次世界大戦終結
1954
高度経済成長期に入る
1965
東京オリンピック開催
1969
1969年8月24日、待望の「東京支店の新ビル」が完成。全社員がトラックを使って自力で引っ越しにあたった。全員が力を合わせることで、大きな達成感と新たな出発への意気込みが培われたという。
1971
創業50年、従業員は290名に、売上は289億円の企業に成長していた。創業50周年記念事業として、社員の働く環境を整備する施策がとられた。社員の健康管理や提案規定、旅費規程。社員が積極的に仕事ができる環境づくりに取り組むきっかけともなっている。
1971
KISCOグループの中核を担う化学メーカーである第三化成株式会社の五井工場の全面的な試運転が始まった。現在では、KISCOの主力事業のひとつである高機能薄膜コーティング剤の製造及びコーティングサービスも担うグループ企業として活躍している。
1973
第一次オイルショック
1980
岸本産業として初の海外投資事業である、香港開元有限公司への資本参加を皮切りに、海外拠点が増加。翌年には台湾事務所設置、その2年後にはアメリカ現地法人設立と、グローバル展開が加速していく。
1983
1983年11月、大阪の伏見町に新本社ビルが完成。総工費7億円をかけた地上8階建ての近代的なビルとなった。この頃から、大阪本店を「大阪本社」、東京支店を「東京本社」と呼称を変更。現場でスピード感をもって判断し、ビジネスを進めていく体制をとった。
1989
年号が平成に
1991
バブル経済崩壊
1998
長野オリンピック開催
2003
高機能薄膜コーティングは、絶縁、防湿、耐薬品性などの機能を持つパラキシリレン樹脂のコーティング剤で、液状コーティングの応用が困難な微細部品や複雑な形状の構造に対して均一で薄膜のコーティングを可能にする技術。この技術をグローバル戦略商品として位置づけ、IT部品、医療機器、自動車電装部品などをターゲットに、世界各地に10カ所以上のコーティングサービス拠点を整備した。
2005
2005年、合成樹脂工業の老舗世紀株式会社を買収した。世紀株式会社は、プラスチックおよびゴムの射出成形時に余分な樹脂成分の発生を防ぐランナーレス装置の製造・販売システムを確立していた。省資源・省エネルギーという強みを持つこのシステムは、環境や省エネへの関心が高まる社会において、需要拡大が見込まれた。
2007
グローバル化が進む市場で記憶に残りやすく、「産業」という機能に縛られず幅広い事業展開を見据えている姿勢を示すため、KISCO株式会社へと社名を変更。単なる国内商社機能にとどまらず、グローバル展開、直接ものづくりをするメーカー機能を有する材料のソリューションプロバイダーとしてのスタートを切った。
2008
リーマンショック
日本でiPhone発売
2013
樹脂材料、樹脂製品を専門に取り扱う会社である大洋マテリアル株式会社を子会社化。樹脂材料のブレンドやカラーリング、コンパウンド(化合)といった加工も行っており、お客様の用途に応じたさまざまなニーズへの対応が可能となった。
2014
卓球ラバーを専門に製造・研究・開発する会社である、大起ゴム工業の株式を100%取得し、子会社化。卓球ラバー製造会社として世界三本の指に入る同社の子会社化により、スポーツ・レジャー分野へのビジネス拡大の一歩を踏み出した。
2015
全世界で市場規模数百億円にものぼる高機能薄膜コーティングサービス・技術において、業界シェア世界No.1であった米企業スペシャルティ・コーティング・システムズ(SCS)の株式を100%取得し子会社化。45年以上にわたり、医療機器、エレクトロニクス、自動車、防衛・航空宇宙産業などの分野で高品質のコーティングサービスを提供してきたSCSとの統合によって、高機能薄膜コーティングの世界トップ企業となる。
2019
プラスチック成型(導電性成型、エンプラ成型)に強みのある東洋樹脂の株式を100%取得し、子会社化。これにより製品構想から量産、品質保証までのワンストップサービスを提供することで、お客様の多岐にわたるニーズへの対応が可能となった。
2020
製造現場・物流業界などに向けて自動化/省人化を目的としたRFIDビジネスに特化した会社を設立し本格稼働。商品名/値段/製造年月日などの情報を入力したRFタグを製品に組み込み、電波を使った読取り装置で電子情報の一括読取り/書込みができる仕組み。これによりお客様の課題解決のために、ご要望に応じた専用のRFタグを設計から製造までワンストップにて提供できるようになった。
新型コロナウイルス肺炎が世界的に感染拡大し、東京オリンピックが翌年(2021)に延期
主に自動車用プラスチック成形品を製造する会社である三泉化成を子会社化。大型成形技術や塗装技術に強みを持つ同社の子会社化により自動車ビジネスのサプライチェーンを強化すると共に、より一層樹脂ビジネスの多様なニーズに対応可能となった。
2021